〜1965
AND YOUR DREAM COMES TRUE/THE BEACH BOYS/FROM 
SUMMER DAYS(BRIAN WILSON)(1965)

砂浜と夏の代名詞としてのビーチボーイズの最高傑作のサマー デイズの最後のかざる1分あまりのアカペラの曲。
 ビーチボーイズは、ブライアン ウィルソンの最高傑作としてのペットサウンズ、ブライアンが一線から退いてからの最高傑作のサーフズアップがあるが一般的なイメージとしてのビーチボーイズの最高傑作は、すばらしいイントロを持つ名曲カルフォルニア ガールズが入っているこのサマー デイズだろう。(ALL SUMMER LONGも捨てがたい)
 ビーチボーイズの大きな魅力の一つにコーラスワークがあげられる。この曲もとても短い曲なのだが、美しいハーモニーが聞くことができる。とても素敵な題名も好きなんだが、この題名とそっくりな名前を持つバンドが日本を代表するヴォーカルグループになったのも興味深い。
 この作品のあと、リーダーであり曲をすべて書いていて、ファルセットの美しい声を持つブライアン ウィルソンがプレッシャーやいろんな原因によりバンドと一緒にツアーをすることができなくなり、レコーディングをしてツアーするメンバーと、曲を作り、アレンジし、その曲をメンバーに歌わせるブライアンという実に奇妙な関係ができてしまう。しかし、その奇妙な関係の中から次々と名曲を70年代前半まで生み出していくのである。ブライアンウィルソンは、サーフィンソングを書いていながら泳げないという笑い話があるが、今でもそうなんだろうか?
(2001年1月18日)

 THE RITE OF SPRING/STRAVINSKY(1911)
20世紀を代表するクラシックの名曲。でも、自分がはじめてこの曲を聴いたときは、とてもクラシックとは思えなかった。大学2年生、それまで、自分が描いていたクラシック像を見事うち砕いた。その時までに、クリムゾンのファーストのライナーや火の鳥などでストラヴィンスキーは知っていたが、ここまでの音は予想していなかった。しょうげきな音である。
 楽曲としては、バレー組曲として作られ、名ダンサーの二ジンスキーの振り付けで初演が行われた。「原始への回帰」のように激しいビート、不協和音、変拍子など斬新な音で音像を表現していく。今までのバレー音楽とは全くちがう圧倒的な演奏に、はじめて聞いた人は「これこそ新しい音楽だ!」「なんだこれは雑音か!」という賛成・反対派がまっぷたつに別れて場内騒然となり、二ジンスキーは殴り合いになったという話しも伝わっている。まるで、ロックコンサートである。似たような状況は、この55年後にディランがエレキギターを持ちライブを行ったときに似た現象が見られた。斬新な音や試みは、だいたい叩かれるものだが、残った音が正しい音である。
 スージ&バンジーズのライブ「ノクターン」のオープンニングはこの曲からの引用ではじまり、名曲のイスラエルのリフが入る瞬間はいつ聞いてもゾクゾクする。
(2000年12月6日)

ADIOS NONINO/
ASTOR PAZZOLLA

(ASTOR PIAZOLLA)
アルゼンチンの大偉人のアストルピアソラである。バンドネオンの第一人者で、アルゼンチンタンゴを確立したと言われる。ここまで書くと、何かずいぶん昔の音楽で、何か古くさいものを連想していた。何かタンゴなんて・・。
 しかし、ある日、CSでこの「アディオス ノニーノ」を聞いてびっくりした。なんて力強く、美しい音楽なんだろう。バンドネオン、ヴァイオリン、ピアノ、コントラバス、エレクトリックギターの5人による圧倒的な演奏。ピアソラのお父さんに捧げた曲だそうなのだが、詳しくは知らない。やはり超一流とされてきた人は、ジャンルを超えて、時代を超えて、人に感動を与えるものなのかもしれない。ブエノスアイレスの春・夏・秋・冬といった素晴らしい曲があるがまだまだ聞き進めていくとすごいものに出会えそうである。恐るべしピアソラ。
(2000年12月7日)

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